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終活の落とし穴?遺言書はすべてのトラブルを解決できるのか

「終活」という言葉をご存知ですか?調べてみると「終活(しゅうかつ)とは「人生の終わりのための活動」の略であり、人間が人生の最期を迎えるにあたって行うべきことを総括したことを意味する言葉。」(外部リンク:wikipedia)とのことです。終活という言葉はそれなりに一般的であり、テレビなどでも耳にしますし、本屋へ行けば終活関連の本がたくさん並んでいます。そんな中、私としては主に遺言書の作成ということでいわゆる終活のお手伝いをさせていただいているのですが、インターネットを含めテレビなど一般的なメディアで語られる遺言書の説明だけではどうも不満に思ってしまいます。そんな不満はかなり以前から抱いていましてたので、何となく書いてみようと思います。

 

 

◆テレビ等で語られる遺言書

テレビなどでは終活に関わらず、法律や相続などの話題が多く取り上げられます。テレビだけではなく雑誌などでも取り上げられているのだと思いますし、インターネット上でも検索をすればたくさんの情報を得ることができます。しかし、これらの情報の多くは「良い情報」のみが紹介されることが多く、その反面である「悪い情報」はあまり取り上げられていないと思います。ここでいう良い情報とは聞き手にとって都合の良い情報のことであり、悪い情報とは聞き手にとって都合の悪い情報です。

 

例えば遺言書を例に取りますと、「遺言書を残せばトラブルにならない」ということが良く取り上げられます。私としてはこれはひとつの面では正しいのですが、しかし、絶対トラブルにならないというような言い方をされるとそれは確実に嘘であると感じます。なぜなら遺言書が残されていた場合の相続においででもトラブルになっている方々をたくさん知っているからです。

 

話しは少し横道に逸れてしまいますが、私の見る限りでは法律について語られている情報番組など、放送された内容のすべてをそのまま信じてしまうと誤った理解をしてしまうのでは?と感じてしまうものが多くあります。一定の放送時間内で視聴者を飽きさせない番組にするためにわざわざデメリットを紹介したり、面倒な手続きを説明することはできない事情も分かりますが、大切な部分が欠落しては視聴者に大きな損害を与える可能性もあると思います。

例えば、「相続税対策には夫から妻へ今すぐ2000万円の贈与をしましょう」という内容の紹介がされていました。しかし、この配偶者控除には本来「共住用の不動産を取得するための金銭であること」という条件が付けられています。しかし、放送ではこのような条件には触れられておらず、もしこの紹介を鵜呑みにして贈与を行ってしまうと贈与税を支払う羽目になってしまうのではないかと心配になってしまいました。(外部リンク:夫婦の間で居住用の不動産を贈与したときの配偶者控除

 

このように、遺言書の作成についても「気軽に作成できてみんなハッピー」というような紹介がされていた場合は要注意です。甘い言葉には必ず裏があります。「裏」なんて言い過ぎかもしれませんが、やはり気軽に作成してみんなハッピーとならない可能性も十分秘めています。

なお、テレビの放送が説明不足であると感じることは多々ありますが、テレビのメリットとしては、とても多くの方に知っていただけるということでしょう。前出の贈与2000万円の放送についても、全体的に説明不足の感じはありましたが、地価が高い地域では相続税がかかる可能性が高くなったことや、事前に対策をすれば節税ができることなど、多くの方が初めてこのような情報に触れられたのではないかと思います。周知という点においてはテレビの力はまだまだ絶大だと思いますので、テレビの情報をきっかけに自身で積極的に情報を集めるような習慣をつけるとより良いのだと思います。

 

 

◆遺言書はすべてのトラブルを解決できるのか?

遺言書はすべてのトラブルを解決できるのでしょうか。私の現時点での結論は、「ある部分に関しては正しく、ある部分に関しては不正解」であると考えています。

 

それでは相続においてのトラブルとはどの様なものでしょう。やはり遺産を分割することに関して話がまとまらない、話が進まない、相続人同士が喧嘩になる、などです。この辺りは皆さまがイメージする通りだと思います。しかし、少しだけ踏み込んでみると、相続のトラブルは以下の二つに分けることができると思います

 

@金銭で評価することができる遺産の分け方

 

A相続人や周囲の家族などの心情的ないざこざ

 

当たり前と言っては当たり前な分け方ですが、この区別が遺言書のメリットを語る上では大切だと思います。

 

実際に相続の際のトラブルは@の遺産の分け方と、Aの親族の心情が相互に影響し合い、入り乱れてトラブルとして噴出しますので、解決にはとても難しい場合が多くあります。できれば少しでもトラブルの元となる原因を減らしたいところです。

 

さて、遺言書はこの@もAもすべて解決してくれるでしょうか?遺言書を作成すればトラブルにならないということであれば@もAも解決してくれるはずです。しかし、そうやら遺言書は万能ではなく、すべての解決にななりません。なぜならAの心情的ないざこざについてはどのような遺言書の内容にしようとも、周りの親族が納得しなければ不満が出ます。「兄が不動産、弟が預貯金」という内容の遺言書であっても、兄も弟も内容に納得しなければ、どんなに遺言者が評価額を等しくする努力をしていても喧嘩(トラブル)になってしまいます。そして喧嘩の理由は具体的かつ合理的である場合ばかりではなく、「兄貴が気に入らない」とか「弟はそもそも親不孝者だ」とか、まさに心情的な理由であったりしますので、解決しようがありません。

 

 

それでは遺言書を残してもトラブルになるのであれば、遺言書を残す意味がないのかというとそうではありません。先の@「遺産の分け方」については遺言書を残しておけば、その通りの遺産が分けられます。これは有効な遺言書であれば法的な効力が発生しますので、しっかりと準備された遺言書の内容は原則的に実現します。つまり、遺言書を残すことで相続で発生するトラブルの要因の半分が解消されることとなります。半分といってもこの効力は非常に大きく、遺言書に従い粛々と執行すれば、一般的な家庭での相続手続きであれば完了してしまいます。

ここでの疑問は、Aの親族の心情的なトラブルですが、これは遺言書はあっても解決しません。それでは@が解決しても意味ないのではないかと思われるかと思いますが、遺言書がなければ、Aの解決なしに@は解決しません。しかし、Aの解決は困難な場合が多く、一時期の誤解の解消により解決するレベルであれば良いのですが、昔から不仲などであれば一生打ち解け合うことはないかもしれません(つまり永遠に相続手続きが終わらない)

しかし、遺言書において@が解決すれば、相続手続き自体は遺言書により完了するため、少なくとも相続手続きは完了し、少なくとも「相続」においては一件落着となるのです。

 

さらなる疑問としてAが解決しなければ本来の相続の完了となならないだろう、と考える方もいらっしゃると思います。しかしこの点は「そもそもの親族間のいざこざ」であることが多く、相続というイベント自体が真の原因であるわけではなかったり、もし相続自体が原因であっても、残念ながらトラブルになる親族であればどのように転んでもトラブルになるのです。(トラブルの種が親族間系の内側では醸成されており、相続をきっかけに外側に噴出するような場合) つまり、これが遺言書の限界であり、すべてのトラブルを遺言書で解決することは不可能なのです。

もしすべてのトラブルを解決したい、もしくは予防したいと考えた場合、遺言書以外の部分での対応が必要であり、それは法律の分野以外での努力が必要となってくるのです。

 

 

「遺言書があれば相続のトラブルの解決できる!」「もめない相続のために今すぐ遺言書を書きましょう!」など、遺言書のメリットのみを喧伝している人がいた場合、遺言書を書くのは少しだけ思いとどまってください。メリット裏には必ずデメリットも存在します。デメリットを踏まえた上で遺言書を残すことができればより良い遺言書になりますし、遺言書以外の部分でもトラブルを減らすための対策もとることが可能かもしれません。このように考えると「終活」というのは意外に大変で気が重いものなのかもしれませんが、もしの終活のデメリットを乗り越えた場合、「終活」による更に大きなメリットを獲得することになるのかもしれませんね。

 

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