遺言書の書き直し

遺言書は相続の際のトラブルの回避に有効ですし、ご自身の財産を亡くなられた後どのように相続させるかを指定できるので、財産の管理にも重宝します。そのような遺言書を残しやすくする法規のひとつが「遺言書はいつでも撤回できる(民法1022条)」です。

一度残した遺言書は気に入らなくなればいつでも撤回をする事ができますし、撤回したら書きなおせば良いのです。こちらでは遺言書を書きなおす場合の注意点をご紹介いたします。自分がいつ亡くなるかは分りません。将来のために遺言書を一年に一度書きなおすと言う習慣を作ってみるのはいかがでしょう?

 

遺言書の書き直しのススメ

遺言書はは一生に一通だけを残すと言う物ではありません。どんどん書きなおして良いのです。その時の自分の気持ち、周囲の状況等により、定期的でも変化がある都度でも構いません。書き直しの方法だけ気をつければ、どんどん書き直して更新して行けば良いものです。

 

 

書き直しの手順

書き直しをするにはある程度の方法を守る必要があります。これを怠ると将来の安心のための遺言書がトラブルの元となってしまうからです。

 

手順@遺言書を見直す

以前に書いた遺言書を見直してみましょう。封印された自筆証書遺言は開封する必要の無いよう、あらかじめコピーやメモを取って置くのが良いかも知れません。その遺言書は今のあなたの気持ちや周囲の状況からして適切な内容でしょうか?適切ならそのままの状態で保管しましょう。もし心情や状況の変化により適切では無くなっているのであれば、まずその遺言書を撤回しましょう。

 

手順A遺言書の撤回

遺言書はいつでも撤回できます。これはすべてを撤回する事もできますし、一部を撤回する事もできます。撤回の方法は以下の二つがあります。

◆遺言書の方式による撤回

◆法律で定められたある行為により遺言が撤回されたとみなされる法定撤回

撤回(取り消し)について詳しくはこちら

この遺言の撤回で最も大切な事が撤回した事に曖昧さを残さないと言う事です。法定撤回の中には撤回されたかどうかの解釈で問題を発生するようなものもありますので注意が必要です。

 

手順B新たな遺言書を書く

遺言書の撤回ができたら新しい遺言書の作成です。現在の気持ちと周囲の状況に沿った遺言書を改めて作成しましょう。なお、ここでは手順を分けてはいますが、実際にはひとつの遺言書で撤回と新しい遺言書を兼ねる事も出来ます。

 

 

具体的な書き直しの方法 

撤回の方法

撤回を行う方法としてお勧めの方法をご紹介します。

 

<自筆証書遺言の場合>

その1】 遺言書の方式による撤回

遺言書の撤回は作成した時と同じく遺言書の方式(「自筆証書遺言」「公正証書遺言」「秘密証書遺言」)により撤回する事ができます。作成した方式と同じで無くてもかまいませんので、どれかの方式で「以前の遺言を撤回する」と言う撤回の遺言を残しましょう。

 

その2】 法定撤回による撤回 〜破棄〜

法定撤回にはいくつかのパターンがありますが、後に曖昧な点を残さないようにするためには自筆証書遺言の破棄をお勧めします。破棄は曖昧さを残さないためにも完全に解読不可能な程度に破り捨てたり、焼却処分にしましょう。

 

 

<公正証書遺言の場合>

遺言書の方式による撤回

公正証書遺言の場合は原本が公証役場に保管されているため、手元の謄本や正本を破棄しても遺言書の撤回の効力はありません。そのため、遺言書の方式による撤回をお勧めします。公正証書遺言の場合はあえて法定撤回にて撤回する事は何らかの曖昧さが残るおそれがあるため、可能な限り避けましょう。

 

 

新しい遺言書の作成

◆新しい遺言書を作成する

遺言書の撤回の方法を踏まえて新しい遺言書を作成しましょう。遺言書の方式による撤回を行う場合は新しい遺言書を作成する際に前回の遺言書の撤回を行う旨を記載しておけば大丈夫です。新しい遺言書は現在の気持ちや周囲の状況を踏まえ作成しましょう。作成後にまた状況が変われば再度書きなおせば良いのです。

 

◆注意点

遺言書の撤回はすべてを行う必要はなく、一部のみを撤回する事も可能です。つまり一部を撤回すると、その他の部分は有効のままとなります。

しかし、新しい遺言書に書かれた内容と以前の遺言書の有効な部分が矛盾した内容となってしまうと、法定撤回にあたり、以前の遺言書の矛盾した部分は撤回されたものとみなされます。この場合、新しい遺言の内容は効力を持ちますので、最新の状況が新しい遺言書に反映されていれば問題はりませんが、意図せず矛盾が発生した部分に曖昧さが残ってしまうと後にトラブルとなってしまう可能性があるので、細心の注意が必要です。

 

 

ご相談と遺言書の書き直しのサポート

遺言書を定期的に書き直すにつきまして、せっかく将来の安心のための遺言書も、やり方を間違えてしまってはその効果が半減です。将来の安心のため遺言書の書き直し、撤回のご相談や手続きのお手伝いをさせていただきますので、お気軽にお問合せください。

 

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遺言書の取り消し

 

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