交通違反・事故 意見の聴取とその対策

交通事故や交通違反などを行うと、その事故や違反の内容に従い点数がつけられていきます。その点数は事故や違反を繰り返した場合、一定の期間や条件の上で累積されていき、その合計が定められた点数に達すると、免許の停止や免許の取り消しなどの行政処分が行われます。

「意見の聴取」とはその行政処分を行うにあたり、行政庁が処分される者の意見を聞き、弁明の機会を与えることにより、これからしようとする処分が適切に行われることを保証するための手続きです。この意見の聴取は形だけで行われるイベントではなく、しっかりと意見を述べることで本来されるはずであった処分が軽減される可能性もあります。こちらでは免許の取消、停止となる点数から意見の聴取に関するご案内までさせていただきます。

運転免許に関する行政処分

以下の表は交通違反の点数の累積の結果でされる処分の内容を表したものです。

①免許停止の点数

前歴の回数 累積点数 期間
前歴がない者 6点、7点、8点 30日
9点、10点、11点 60日
12点、13点、14点 90日
前歴が1回である者 4点、5点 60日
6点、7点 90日
8点、9点 120日
前歴が2回である者 2点 90日
3点 120日
4点 150日
前歴が3回以上である者 3回である者 2点 120日
3点 150日
4回以上である者 2点 150日
3点 180日

こちらの①の表は「免許の停止」となる点数です。この点数に達した場合は表の期間の免許の停止となります。

※前歴とは

過去に取消処分や停止処分がされた場合、その処分を前歴として次回の点数計算と処分の量定に影響を及ぼします。

②免許取消の点数(一般行為違反)

過去3年以内の
免許の停止などの
処分回数
免許の取消、拒否、運転禁止
(欠格期間)
免許の停止、保留、
運転禁止
5年 4年 3年 2年 1年
第1欄 第2欄 第3欄 第4欄 第5欄 第6欄 第7欄
前歴なしの者 45点以上 40点から
44点まで
35点から
39点まで
25点から
34点まで
15点から
24点まで
6点から
14点まで
前歴1回である者 40点以上 35点から
39点まで
30点から
34点まで
20点から
29点まで
10点から
19点まで
4点から
9点まで
前歴2回である者 35点以上 30点から
34点まで
25点から
29点まで
15点から
24点まで
5点から
14点まで
2点から
4点まで
前歴3回以上である者 30点以上 25点から
29点まで
20点から
24点まで
10点から
19点まで
4点から
9点まで
2点又は
3点

こちらの②の表は「免許の取消」となる処分を表したものです。該当の点数に達した場合に免許が取り消され、示された期間だけ免許取得の欠格期間、つまり免許が取得できない期間となります。


③免許取消の点数(特定行為違反)

過去3年以内の
免許の停止などの
処分回数
免許の取消、拒否、運転禁止
(欠格期間)
10年 9年 8年 7年 6年 5年 4年 3年
第1欄 第2欄 第3欄 第4欄 第5欄 第6欄 第7欄 第8欄 第9欄
前歴なしの者 70点以上 65点から
69点まで
60点から
64点まで
55点から
59点まで
50点から
54点まで
45点から
49点まで
40点から
44点まで
35点から
39点まで
前歴1回である者 65点以上
60点から
64点まで
55点から
59点まで
50点から
54点まで
45点から
49点まで
40点から
44点まで
35点から
39点まで
 
前歴2回である者 60点以上
55点から
59点まで
50点から
54点まで
45点から
49点まで
40点から
44点まで
35点から
39点まで
   
前歴3回
以上である者
55点以上
50点から
54点まで
45点から
49点まで
40点から
44点まで
35点から
39点まで
     

こちらの③の表は免許取消の場合の点数と欠格期間を表したものですが、②と異なり「特定違反」を犯した者に対する点数と期間を表しています。

特定違反とは以下のような違反行為です

・運転殺傷等:自動車の運転により人を死傷させ、又は建築物を損壊させる行為で故意によるもの

・危険運転致死傷:自動車の運転に関し刑法208号の2の罪(危険運転致死傷罪)に当たる行為

・酒酔い、麻薬等運転:酒に酔ったり麻薬により正常に運転できない状態での運転

・救護義務違反:いわゆる轢き逃げです

意見の聴取

意見の聴取とは免許の取消や停止をする前に行政庁が処分される者に弁明の機会を与え、その処分が公正適切に行われることを保証するものです。

意見の聴取の対象者

・免許の取消処分

・90日以上の免許の効力の停止

・90日以上の自動車等の運転禁止処分

行われる方法

意見の聴取が行われる1週間前に通知が来て、開催場所や日時などが伝えられます。当日は指定された場所にて主催者から質問などをされたり、意見を述べたりすることが可能です。また、自身に有利な資料等を書面として提出することができます。

意見の聴取の結果として

意見の聴取を行い自身の意見を述べたり、資料などを提出した結果、通知された処分が軽減される可能性があります。軽減とは、免許の取消で欠格期間が2年として通知されていた方が軽減された結果、欠格期間が1年となったり、免許の停止の期間が180日であった方が150日に短縮されたりします。しかし、必ず軽減されるとは限らず、行政庁の判断により軽減することが違反者にとって公平な処分だと認定された場合となります。

運転者側のメリット

行政庁が処分を公正に行うために行うイベントである意見の聴取という場は、違反をした運転者にとっては自分の意見を行政庁に伝えることのできるチャンスと言えます。この意見の聴取の結果、本来の欠格期間や停止期間が短縮されたり、取消だった処分が停止に軽減されたりします。意見の聴取の際は自身に有利となる資料や意見を述べるチャンスですので、何も準備をしていかないというのは大変もったいないことです。

述べる意見、提出する資料とは

処分の軽減をしてもらうために主催者を納得させるための意見であったり資料であったりします。意見を述べることが苦手な方は意見の聴取の際に自分の意見を書面にまとめて提出することでも良いですし、意見と資料を併せても大丈夫です。有利な資料とは一般的には「上申書」や「嘆願書」「申立書」を提出するといわれていますが、それらに限定されるわけではありません。違反された方の状況により書類の名称にこだわらず提出することが効果的です。

意見の聴取の注意点

意見の聴取は違反の事実を争う場ではありません。「信号無視で違反とされたが本当は青信号だった」や「事故を起こした私が悪いことになっているが本当は相手が悪い」などを主張する場所ではありません。違反や事故を認めつつ、それでも伝えられている処分を軽減したいという主張を行う場所ですので注意が必要です。

※事実関係を争う場合は意見の聴取ではなく事前の聴取や裁判となります。

必ず軽減されるとは限りません。軽減することが公平であると判断された場合のみですので注意が必要です。どんなに軽減をしたいと思っていても、軽減させる要素がない方は軽減されることは難しいとお考えください。

・意見の聴取が終わると実際に取消や停止の処分が下されます。もし欠席したり適当な対応をしてしまっても処分が下ります。処分が下されるとそれを覆すことはとても困難です。(異議申立てという制度もありますが、それで覆ることはまずありません) そのため、処分の軽減を希望する場合は意見の聴取が最後のチャンスである場合が多く、軽い気持ちで臨んではいけません。

意見の聴取についてのお手伝い

当事務所では上申書、嘆願書等を作成するお手伝いをさせていただきます。文章を書くことが苦手であったり、どのようなものを揃えるのか分からないという方はお問合せください。

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