任意後見契約と身体障害(脳性麻痺など)

任意後見契約は判断能力がはっきりしている状態であれば誰でも自由に公証役場にて契約する事ができます。しかし脳性麻痺などで身体的障害がある場合、知的障害が伴っていないにも関わらず公証人とのコミュニケーションが上手く取る事ができず、任意後見契約を断念せざるを得ない結果になってしまった方がおられるかもしれません。
こちらのページでは重い身体障害のある方でも任意後見契約を結んで頂けるようサポートいたします。任意後見契約にに限らず公正証書遺言や各種公正証書の作成にも応用できるでしょう。

 

 

任意後見契約とは

任意後見契約

認知症などの将来の判断能力の衰えなどに備える準備として任意後見制度があります。これは判断能力が衰えた場合、信頼のおける人に後見人となってもらい、法律行為をサポートしてもらう事を事前に契約をしておく事で安心を得られる制度です。

任意後見制度は公証役場にて公正証書として作成しなければなりませんので、当事者どうしのみの契約では、いざ判断能力が衰えたときでも全く意味を成しません。

 

法定後見契約

後見制度には上記の任意後見契約のほかに法定後見があります。これは事前の準備としての契約は必要ありません。本人が認知症など判断能力が衰えた場合、特定の人からの申立てにより、裁判所から後見人が選任されます。

 

 

 

身体障害がある方の任意後見契約

任意後見契約は先にもご案内致しましたように本来は判断能力がある方であれば誰でも契約をする事ができます。しかし、重い身体障害を抱える方には任意後見契約を結ぶ為には健常者と比べるとひとつのハードルがあります。

 

任意後見契約は公証役場というところで公正証書という形で契約を結ばなければなりません。公証役場とは元裁判官や元弁護士などの法律の専門家である公証人が書類を作成します。任意後見契約は本人が後見人に代理権という大きな権利を任せます。その人の人生を左右する人物となると言っても過言ではないでしょう。そのため、当事者同士の契約書では効力を認めず、公証人が作成したものでなければ行けないのです。

 

しかし、この公証人に任意後見契約公正証書を作成して貰うには、公証人に対して当事者が意思表示を行わなければなりません。それはしっかりと契約の意思がある事、契約書の内容が理解できている事、当事者の信頼関係がしっかりできている事など、公証人が間違いないと確信を得なければ任意後見契約公正証書は作ってもらえません。

この事より、上手く発声できず、また手が不自由で署名や押印ができないなどの障害がある方はどんなに意識がはっきりしており、完全に任意後見契約の内容を理解できていても、任意後見契約公正証書が作成できないと言う結果となってしまう事があります。

 

健常者は困難なく任意後見契約公正証書が結ぶことができ、身体障害者は判断能力という点では健常者と全く同じレベルであるのに任意後見契約公正証書が結べないのは不公平な感じがします。

もちろん、公証人も意地悪でしているわけで無く、プロフェッショナルとして本人の意思の確認が十分とは言い難い状態では書類は作成できないのです。

 

 

 

どうやって任意後見公正証書を作成するか

しかし、身体障害があっても将来の認知症などを考えるとやはり任意後見契約を結んでおきたいと考える方はいらっしゃるでしょう。私はこのような場合でも任意後見契約公正証書の作成は不可能ではないと考えます。その方法が事前の調整です。公証人は法律のプロではありますが、各種の障害などに精通しているわけではありません。そのため、本人がどれくらいの意思の伝達ができ、またその範囲でどうやって任意後見契約公正証書を作成して行くのかをひとつずつ調整して行くのです。もちろん、本人の症状によっては契約が結べないという結果になるかもしれませんが、任意後見契約を結びたいとの意思をお持ちでしたらチャレンジする価値はあると思います。

 

 

 

任意後見契約が結べない時の代替措置

それでは任意後見契約が結べない時はどの様な方法があるでしょう。

 

見守り契約

見守り契約とは本来は「今は元気だが、いつ低下するかわからない判断能力を普段の生活で見守っていき、後見人をつけるタイミングを逃さない」為の契約です。そのため、任意後見契約を結んだ人でも見守り契約にて見守ってもらう契約ですので、任意後見契約の代わりになるものではありません。

しかし、この契約を結んでおけば後にご案内する法定後見を申立てする時期を見落とす事が無くなるため、一考の余地がある契約です。

※こちらは公正証書とする必要はありませんが、署名押印や意思確認の方法等はしっかり検討する必要がります。

見守り契約についてはこちら

 

法定後見制度

任意後見契約が結べなくても後見人をつける事ができない訳ではありません。その方法は法定後見制度を利用する事です。法定後見制度は「判断能力が無くなった後」に特定の人の申立てにて後見人がつけられます。

任意後見と異なる点は以下の点です。

 

◆元気なうちから前もって準備ができない。

◆後見人の指定ができない。

◆申立てをする事ができる人がいないと放置されてしまう可能性がある。

 

任意後見は自分の希望通りに自分の準備をする事ができますが、法定後見はどうしても周囲の人の判断となってしまいますし、周囲の人が後見制度を知らなければ判断能力が衰えたまま放置されてしまうかもしれません。

もちろん、法定後見を利用する場合でも前もって自分の意思を周囲に伝える等して対策も出来ますが、任意後見として「契約」されているわけでは無いので、心配性な方や自身の希望が明確な方は少し不安かもしれません。

 

 

 

最後に

自分の将来を案じてその準備をする事は皆当然にその権利を持っています。しかし、様々な都合で上手く実現できない事もあるでしょう。成年後見制度は将来、自分が自分らしく生きるため、自身の権利を信頼おける誰かに託すものです。そのため、身体的に障害があっても、やはりその希望はかなえられるべきです。

当事務所では任意後見契約の締結のお手伝いをさせて頂きます。公証人との調整、契約書の作成・修正、契約書の内容のレクチャーなど、任意後見契約締結のために尽力させて頂きます。

 

※任意後見契約に限らず遺言書を残したい、契約書を作成したいなどのご希望される方はお問合せください。 当事務所にてサポートをさせて頂きます。

 

 お問合せ・ご質問はこちら

 

 遺言書を残したい 〜身体障害(脳性麻痺など)〜

 

 任意後見契約と認知症

 

<関連ページのご紹介>

病院・介護施設・自宅で遺言書を作成したい

不要な延命治療の拒否〜尊厳死宣言の意味と効果

練馬相続相談センター・行政書士日記

▲このページのトップに戻る