無道路地(再建築不可の土地)と相続財産

「無道路地」や「再建築不可の土地」などの言葉を聞いたことはありませんか?普段はあまり聞くことはありませんが、土地を購入しようといろいろな物件を探したことがある方な聞いたことがあるかもしれません。これらは土地と道路についてを知ることでどのようなものかが見えてきます。こちらでは「無道路地」や「再建築不可の土地」について法的な観点から道路というものを見てみましょう。そしてそのことと相続財産の評価についての関連性もご案内いたします。

 

 

「道路」の法的な意味


道路の範囲

道路の定義などは普段あまり考えたこともありませんが、法律的に見るとどのようなものが「道路」といえるのでしょう。実は道路の定義は法律によって違いがあります。例えば道路法では「高速自動車国道、一般国道、都道府県道、市町村道」を道路として定義しています。また道路交通法は道路法の定義に加え道路運送法にて定義されている道路も含むと定義されています。そして道路交通法では裁判などの判決でコンビニの駐車場までが道路であるか否かの争いもされる場合があり、一般的に考えられているより大きな範囲で道路と認められる可能性があります。



建築基準法の道路と再建築不可

「無道路地」や「再建築不可の土地」や相続での財産評価について注意するべき道路とは建築基準法にて決められた道路であり、これは先にご紹介しました道路法や道路交通法との定義とも異なります。それでは建築基準法の道路とはどうのようなもので、また「無道路地」や「再建築不可の土地」や相続での財産評価とどのように関連するのでしょうか。建築基準法には以下のような決まりがあります。


・建築物の敷地は、道路に二メートル以上接しなければならない。 ※建築基準法第四十三条 の一部抜粋

 

これは「建物を建てる場合、その建物の敷地が建築基準法で道路と認められた道路に接していなければならず、もし道路に接していなければ建物は建てられませんよ」、ということを表しています。そして建築基準法で定められた道路とは大きく分けて以下のようになります。

 

・道路法などその他の法令により定められた道路(建築基準法第42条1項1号〜4号)

 

道路法などその他の法令により定められていない道路で、特定行政庁が指定をしたもの(建築基準法第42条1項5号)


・建築基準法が規定が適用されるに至つた際現に建築物が立ち並んでいる幅員四メートル未満の道で、特定行政庁の指定したもの(建築基準法第42条2項

 

※他省略 他にも敬意地区基準法の道路の定義はいくつかございます。

 

 

無道路地(再建築不可の土地)とは

建物を建てるには建築基準法で定められた道路に接した土地でなければならず、それ以外の土地では建物を立てることができないのが原則でした。つまり無道路地」「再建築不可の土地」とはこれらの道路に接していない土地であり、建物が建てられない土地ということとなります。これらの土地は建物を建てるために土地を購入しようとしているときはもちろん、相続などの一般承継で取得する際にも注意が必要です。再建築不可であることを知らずに取得してしまい、後から利用しようと考えてもそれが叶わない可能性があるからです。利用価値の小さい土地を持っていても税金などもかかりますし、デメリットの方が大きい場合も出てきます。



相続の際の注意点

再建築不可を見過ごしてしまう

もし土地を購入しようとした場合、まともな売主や仲介であれば再建築不可であることは知らせてくれますし、また、周りの相場よりかなり安い金額が設定されていますので、うっかり再建築不可の土地を購入してしまうことは少ないのではないかと思います。(それでもご自身で土地の状況を調べていただくことをお勧めいたします。)


しかし、相続の場合は再建築不可であることを見過ごして遺産分割をしてしまうことがあるものと思います。なぜならこの土地が再建築不可かどうかということは、知らない人にとってはなかなか調べたり把握したりするのは困難だからです。困難な理由は以下の通りです。


・相続の手続きを相続人のみで行う場合、登記簿等(公図や地積測量図を含む)を取得することも少ない。また取得したとしても最低限の範囲しか取得しないため。


・建築基準法上の道路か否かについては登記簿上には表示されない。また、登記簿等から予測を付けることはできるが、初めての方ではそれは難しいため。


・土地に接する道路が建築基準法の第何項の道路であるかを把握されている方はほとんどいないため。これは不動産の売買契約書などにも書いてあることが少なく、また、古いお家であれば建築確認の書類等は既に紛失されている場合が多い。そもそも再建築不可となる場合があるなどを知っている方は少数であるため、当時の書類を見返す方も少ない。


・建築基準法の道路ではないのではないか、との懸念は道路の形状などでも予測が立てられますが、建築基準法の道路がどのようなものであるかを把握している方はあまり多くないため。


・再建築不可の土地であってもその上に現に建物が建っているため、まさかその敷地が再建築不可であるとは思わないため。



相続の際に注意したいこと

相続の際、相続財産をどの様に分けるかは相続人の全員の協議により任意に決めることが可能です(これを遺産分割協議といいます)。この際、各相続人が相続する額に公平性を持たせるため、相続財産を一旦金銭的価値に評価し、その後に分割の仕方を決める場合に注意が必要です(例えば不動産であれば路線価方式)。それは再建築不可の土地はそうでない土地を比較すると評価額が非常に下がるためです。なぜなら建物を建てられない土地はやはり土地としての利用価値が大きく下がるためです。国税庁なども無道路地の評価についてはこの点をしっかり考慮して評価額の算出方法を決めています。

しかし、再建築不可の土地であるとの認識をすることなく、あいまいに額を定め、その額を基準にたの預貯金などの資産と併せて遺産分割の方法を決めてしまった場合、不動産を相続した方が大きく損をしてしまうというということとなってしまいます。

 

 

建築不可なのに家は建っているのだけれど…

さて、再建築不可の土地なのだけれど現時点で建物は建っている。このようなケースは多いのですが、これはどうゆうことでしょう。これはいろいろな理由がありますが、この建物は建築された時は少し離れた道路までの土地に通路状の賃借権を有していたために建物が建てられたり、またこの建物に関して例外的に建築が許可されたり(建築基準法第43条ただし書き道路など)した場合が考えられます。いずれにせよ現時点で無道路地となっていれば原則として再建築はできませんので、このような土地はいろいろな点で注意が必要です。

 

それでは再建築不可の土地に建物を建てるにはどうしたらよいのでしょうか。いくつかご紹介いたします。

・建築基準法で認められた道路までの間の土地の所有権を取得したり、賃借権を取得する。

・土地に接する土地について建築基準法第42条第5項(位置指定道路)として特定行政庁から指定を受ける。

建築基準法第43条ただし書き道路として例外的に建築可能としてもらう。


など、いくつか考えられますが、いずれにせよ簡単に行えるものではありません。これらは行政庁の建築課の担当者などと綿密な打ち合わせをし、実行していかなければなりません。



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