近年の夫婦のあり方として無視する事ができない内縁関係。内縁の妻や内縁の夫はお互いに相続を受ける事はできるのでしょうか。こちらでは内縁の相続を中心にご案内します。

「内縁」とは

内縁の夫婦とはどのような夫婦でしょう。夫婦は法律に定められた手続きを経て行う事が原則ですので、法律上の夫婦である為には双方に婚姻の意思があり、かつ婚姻届けを出していなければ夫婦ではありません。しかし、婚姻届を出していなくても、お互いに婚姻の意思があり夫婦としての自覚と実態があれば、その関係が夫婦として事実上認められています。これが内縁の夫婦です。

 

法律上の婚姻と内縁の違い

内縁の夫婦は法律上の夫婦と同じ義務権利が認められている点と、法律上の夫婦と区別されている点があります。
 

  • 法律上の夫婦と同じく義務が科せられること

・同居・協力・扶助義務
・貞操義務
・婚姻費用の分担
・日常家事の連帯責任
・帰属不明財産の共有推定
 

  • 特別法で法律上の夫婦と同様にみなされること

・労働災害の遺族補償を受ける労働者の配偶者
・遺族補償年金を受ける者としての妻
・退職手当を受ける者としての配偶者

など

  • 法律上の夫婦には認められるが、内縁では認められない権利義務

・夫婦の同氏
・成年擬制(未成年でも結婚をすれば一定の行為については成人として扱われること)
・子の嫡出性
・配偶者相続権

 

内縁の「相続」を知ろう

上記のように内縁関係にある者同士では相続権が認められていません。それでは相続権が無いということはどうゆう事でしょう。

 

  • 亡くなった相手の財産を貰う事ができない

相続権が無いと言う事を簡単に言うと「亡くなった相手の財産を貰う事ができない。」という事です。これは内縁関係をたとえ20年続けたとしても、内縁の妻または夫が所有する建物や土地や預金などは、その夫または妻が死亡しても貰うこと(あげる)ができないということです。

 

 

  • 内縁の配偶者との共有財産

もし、内縁の配偶者と所有権を共有する建物や土地があった場合、配偶者の死亡によりその妻または夫の持分は相続財産となり、相続人に分割されます。しかし内縁では相続人とはなれませんので、建物や土地の妻または夫の持分について何らかの精算を行わなければならない可能性が発生します。

 

 

  • 死亡による内縁解消の為の財産分与

法律上の夫婦が離婚する時に行う財産分与は、内縁関係の夫婦が理由あって内縁を解消する時にも行うことが認められています。しかし、内縁の妻または夫が死亡した事による内縁の解消の場合はどうでしょう。財産分与を請求する事ができるでしょうか?

この場合、死別による財産分与とは即ち相続であると考えられており、相続権のない内縁の妻または夫は財産分与も請求できないと解されています。

 

 

  • 相続人がいない時

もし内縁の妻または夫に相続人がいない場合はどうでしょう。もし相続人が全くいない場合でも、内縁の妻または夫は例外的にも相続人となることはできません。この場合、妻または夫はどんなに長年付き添ってきたとしても、亡くなった方の相続財産は「相続人の不存在」として手続きを行わなければなりません。この相続人の不存在の結果、相続人無しと結論されると、相続財産は国庫に帰属することとなります。

ただし、次項でご案内します手続きの過程で「特別縁故者」と認められれば、財産を取得することが可能です。

相続人の不存在について詳しくはこちら

 

 

内縁の配偶者の財産を承継するには

内縁の配偶者の相続財産を貰うこはどのような事が必要でしょう。内縁の夫婦でも、何らかのアクションを起こすことで配偶者の死亡による相続財産の取得をする事ができます。

相続分について詳しくはこちら

  • 法律上の婚姻をする

内縁関係を続けている夫婦には婚姻届を提出しない何かしらの理由があるかと思います。しかし、内縁関係にある夫婦の相続を真剣に考えた時、婚姻届を出して法律上の婚姻関係に入る選択肢も考慮することも必要かもしれません。法律上の夫婦での相続は相続分などにつて配偶者に非常に有利になるよう考えられていますので、内縁での相続の悩みは一気に解消するでしょう。

 

 

  • 特別縁故者の手続きをする(相続人がいない時)

内縁の妻または夫に相続人がいない時、原則は相続人の不存在として手続きがされますので、やはり残された夫または妻は相続人にはなれません。しかし、「特別縁故者」として認められる事ができれば相続財産を取得することができます。

しかし、相続財産は家庭裁判所が決定した分しか取得できず、他の財産は国庫に帰属することとなります。また、相続人の不存在の手続きは相続が始まったあとのことですし、生前から安心を得たい場合は事前の対策が望ましいでしょう。

特別縁故者についてはこちら

 

  • 借家の借家権を相続、援用する。

遺族年金のように特別法にて内縁の妻または夫への相続が認められている場合があります。それは借家(借家権)です。あくまで借家権に限りますが、内縁の妻または夫に相続人がいない場合、亡くなった方が借りていた家(借家権)を相続することができます。

また、相続人がいる場合でも、亡くなった方の夫または妻はその相続権を援用すれば借家に住み続けられます。この場合、厳密には相続人になったわけではありませんので、借家権があなたの物となったわけではありません。しかし、 本来の相続人から借家の引渡しを求められても、その相続人に借家を使用する正当な理由がなければ、その借家に住み続けれらると認められます。しかし、相続人との間に争いが起こればその地位は不安定なものである言えるでしょう。

 

 

  • 生前に財産を贈与する

内縁の妻または夫は生前に財産を譲渡すれば、相続の形をとらなくても財産を分与することができます。この場合の注意点は贈与税がかかることと、あまり多くの贈与を行うと相続の際に相続人に取り返されてしまう可能性があるです。

贈与税に関しては年間110万円の基礎控除はありますが、税率はかなり高い為、土地や家屋の贈与であれば贈与税を支払う覚悟が必要です。また、内縁の夫婦は法律上の夫婦に適用される「贈与税の配偶者控除」なども認められませんので、やはり贈与税は事前にしっかりと把握しておくべきです。

また、法定相続人が相続すべき額を大きく侵害してしまうくらいの贈与がされていると、相続人から遺留分減殺請求という財産を取り返すための請求がされてしまうかもしれません。生前贈与をお考えの場合はの遺留分減殺請求も考慮しておきましょう。

 

 

  • 遺言書を残す

遺言書は自身が死亡した時に遺産を誰にどのように残すかを指定することが可能です。これは内縁の夫婦の間でも例外ではなく、遺言書に内縁の妻または夫に財産を残す事を記載しておけば、希望どおりに相続財産を残すことができます。

内縁の妻または夫に財産を残す方法としては法律上の婚姻関係を結ぶことの次に確実であり、また自身の希望に沿った財産の分け方ができるため、お勧めの方法となります。しかし、遺言書が誤った方法で作成されると法的な効力が発生せず、せっかく残した遺言書の内容も実現されないことに注意が必要です。

なお、遺言書以外にも「死因贈与契約」という遺言書と同様の効果が得られる契約を夫婦間で行っておくこともよいでしょう。

 

 

内縁の相続の相談と手続き支援

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