遺産分割はモヤモヤを残さずスッキリと

相続はトラブルになり易いと言われますが、やはりどのような相続もその一面は持っています。しかし、当然ながら、トラブルにならず手続きが完了する事の方が実際は多いでしょう。
しかし、表向きはトラブルとならなくても、当事者はすべてスッキリと相続を終える事ができているのでしょうか?遺産分割協議は話合いですのでお互いが何らかの妥協をし合わなければ纏まらない事もあります。しかし、お互いが妥協すべきを承知でやはり何かモヤモヤする… このようなモヤモヤは早めにスッキリさせる事が一番です。

 

 

  • 「妥協」や「譲歩」と「モヤモヤ」は違います

遺産分割協議は亡くなった方の財産をどのように分けるかの話合いです。その話合いを上手く整えるためには相続人同士が譲り合い、妥協をしなければならない場面も出てくるでしょう。この様な場合、真剣に話合い、その結果、妥協をした事も含めて納得できる遺産分割協議であれば良しとすべきでしょう。相続人同士が全く譲り合いをしなければトラブルとなりかねません。妥協をしても納得できていれば前向きである事が多いと思います。

 

それではモヤモヤするとはどのような状態でしょう。簡潔に言うと納得できない点がある、と言う事です。納得できない原因はたくさんあるでしょうし、モヤモヤする原因がはっきり分らない事もあるでしょう。しかし、モヤモヤしているのであればその気持ちを大切にし、納得ができるまでその原因を探る事をお勧めします。

亡くなられた方の大切な相続財産は妥協はしても納得をしないで分けてしまうのは忍びない事です。

 

 

  • モヤモヤの原因の例

それでは遺産分割協議の段階でモヤモヤする原因はどのようなものがあるでしょう。原因は千差万別だと思いますが、いくつか例示してみます。

 

  • 相続財産ってこれだけなの?

相続手続きを進めている他の相続人が示した相続財産。しかしもっと他にもある様な気がするのだけど… しかし、あまりお金の事を言ってたくさん相続財産がが欲しいと思われるのもどうかと思うし…

 

このような事はありがちではないでしょうか。故意に財産を隠しているわけではない場合でも、遺産分割協議で漏れてしまった財産の行方は心配でしょう。このような心配もモヤモヤの原因のひとつです。

 

 

  • 長男が遺産をたくさん取得

うちは田舎の風習が残っている事もあり、長男が相続財産をすべて相続すると言っている。この様な慣例は前から知っている事だけど、しかし、亡くなった父の面倒を見てきたのは妹の私だし、少しくらい相続財産を貰っても良いと思うのだが…

 

慣例などがモヤモヤの原因になる事も多々あることでしょう。分ってはいるのだけど納得できない… 気の強い人ならハッキリ相続財産の分割を請求できるのかも知れませんが、周りの人に配慮しがちな人はなかなか言い出す事は難しいかも知れません。

 

 

  • 相続手続きに加えてもらえない

母が亡くなってからの手続きをすべて兄が行っているが、どのような手続きを行っているのかさっぱり教えてくれない。遺言書は無かったと言っていたが、もう少し教えてくれても良いと思うのだが…

 

「手続きは俺がしてるから大丈夫」と言われても何故かモヤモヤすると言う事もあり得るでしょう。疑っているわけではないのだけれど、亡くなった方の相続財産の整理に自分も協力したいと言う気持ちはもっともです。

 

 

  • 細かい約束が気にかかる…

相続財産を半分ずつとする暫定的な約束をした。明日、遺産分割協議書に署名押印するのだが、ほんとは半分ずつとする前提として残された家の庭と屋根の手入れを兄がする約束だった。その約束は遺産分割協議書に盛り込まれていないのだが、兄は約束を守ってくれるのだろうか…

 

合意の前提としての両者の約束とは遺産相続の場面で無くてもあり得る事です。しかし、表向きには最終合意しか書面にされない。これはやはり不安です。前提としての約束も協議書に盛り込んだり、別に契約書を作成する等の対応もありますが、一度した約束も蒸し返して尋ねると言う事はなかなかし辛いことですね。

 

 

 

  • モヤモヤの原因は早めに解決

上記のように、遺産分割の場面でなくともなんとなく納得できない事はご経験があるのではないでしょうか?相続財産の分割の仕方など大まかには納得しているが、どうにも腑に落ちないという点がある場合、それは早めに解決する事が大切です。後回しにすると相続手続きが終わってもモヤモヤし続けなくてはならないかもしれません。また、そのモヤモヤの為に後ほどトラブルが発生するかもしれません。

 

  • 解決方法

解決方法はズバリ自分の意見を他の相続人に発信する、と言う事です。これはなかなか大変な作業です。家族といえども言いづらい事はたくさんあります。普段より控えめな人は積極的な人に対して意見を言うのはハードルが高いものです。また、お金の事に対してハッキリ物を言うのは良い事ではないのではないか、と思ってしまう方もいらっしゃるでしょう。これらは反面、日本人の美徳として良い点であるかもしれません。しかし、結果的にモヤモヤが残ってしまえば精神衛生上に良くありません。やはり、モヤモヤを解決するには自分の意見をハッキリと言う事が必要となってくるでしょう。

 

 

 

  • ハッキリものを言うのは難しい…

モヤモヤを残したくない、しかし自分の意見に自信がない。このような方は当事務所にて遺産分割協議の立会としてお手伝いさせて頂きます。行政書士は相続人の一人の利益を代弁する事はできませんが、相続人全員の為により良い遺産分割協議の進行をお手伝いし、納得のいく遺産分割協議書を作成する事を承る事が可能です。行政書士の立ち会いの下、法律の事、財産の事、そしてすべての相続人にモヤモヤが残らないようなお手伝いをさせていただきます。

 

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