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現在、お年寄りの一人暮らしなどが増え、孤独死などが問題になっております。また、その方々に相続人がいない場合は相続財産の分与などの問題も発生してしまいます。こちらでは、当サイトのテーマである「相続」を中心にお年寄りの方、特に身寄りのない方が亡くなられるまでと、その後の法的サポートについてご紹介します。
また、今ではお年寄りのみの問題でなく、独身でいることを選択された働き盛りの多くの方々にも参考として頂ければと思います。
高齢となるにつれての問題点
身寄りのない方に限らず、ご高齢になられた方々にはいろいろな問題が発生します。まずは当ページの趣旨に沿った法的サポートの観点からの問題点を挙げてみます。
<問題点①>
身寄りがなく、また一人暮らしをしてい高齢者の現状を把握できる人がいない場合、病気にかかってしまったり、その進行が人知れず進んでしまう危険性があります。もし認知症などを患ってしまえば誰も気にかけないところで詐欺などにも遭ってしまう危険性があります。
<問題点②>
高齢になるにつれ、財産管理などの作業が困難になります。お金の計算が億劫になったり、お金を下ろしに行く為の外出が困難になります。また、大きな財産の売買などを一人で行う事はとても心身の負担となります。このような財産管理をもし自分で行う事ができなければ不自由を負う事になってしまいかねません。
<問題点③>
認知症となってしまった場合、物の購入、現金の引き出し、施設の利用や入所など、あらゆる場面で自分一人では行えなくなってしまいます。これはそれらの行為の相手の方が認知症の方との取引にて損害を避けるため手続きを拒否されてしまうためです。
また、判断能力が低下すれば詐欺などに遭ってしまう恐れがありますし、詐欺に遭ってしまった後の対応も取る事ができず、連鎖的に犯罪に巻き込まれる可能性も否定できません。
<問題点④>
亡くなられた後の財産についてや、相続人の有無など、相続についての対策が必要です。全く相続人がなければ遺産は国庫に帰属してしまいますし、相続人の調査を怠れば親族間でのトラブルの種となってしまいます。
<問題点⑤>
自宅以外で亡くなられた場合、遺体の引き取りや入所施設の明け渡しなど、必ず誰かが行わなければいけない事務作業が発生します。しかし、それを行う人がいなければ、周囲の面識の無かった人たちに多大な迷惑がかかってしまします。
また、亡くなられた後の葬儀や永代供養などを行う事が必要です。もしご親族などがいなければ葬儀やお墓の管理ができず、亡くなられた方の供養が十分に行えません。
法的サポートの紹介
上記のような問題がある場合、まだご本人の意識がしっかりしている状態で対策を立てると、法的にご本人をサポートする事が可能となります。身寄りのない方に限らずすべてのお年寄りを対象にサポートする事ができる契約ですので、必要に応じて検討される事が良いでしょう。
★生前の日々の状況を見守るための契約です★
上記①の問題については「見守り契約」と言うものがあります。まだ元気なうちから定期的に高齢者の元を訪問や連絡を取り合う事で、状況を確認する契約です。「月に1度の状況確認」などと決めて契約を結べば、もし本人が認知症となりかけている場合などもいち早く気づく事ができます。
★生前の財産管理を任せるための契約です★
上記②の問題についての対策としての契約です。高齢者がまだ判断能力が衰えないうちから信頼のおける第三者に財産管理を委託する契約です。本人はまだ判断能力があるため、管理を行う受任者の業務をチェックする事ができ、次の「任意後見契約」を行う上でも事前に信頼関係を築く事ができると言うメリットもあります。
★生前の認知症や判断能力の低下に備えるための契約です★
上記③の問題については「成年後見制度」と言うものがあり、これは認知症などで判断能力が亡くなった方のサポートの為に後見人をつける事ができる制度です。任意成年後見制度では、通常の成年後見とは異なり、まだ判断能力がはっきりしている段階で本人と任意後見人が契約を結び、本人の判断能力が亡くなった時に任意後見制度が開始されるというものです。
任意後見は本人と任意後見人との間での契約ですが、任意後見が開始されたあとは任意後見人からの申立てにより、より権限の大きな後見が可能な「成年後見制度」への移行も可能です。
任意後見制度は見守り契約や財産管理委任契約と併せて結んでおき、まだ判断能力がある段階から信頼関係を築いていく事望ましいでしょう。
★死後の財産の分割や身の上の事を決めるための行為です★
上記④の問題については遺言書の作成が有効です。生前の財産など、死後のどのように分与するのかの意思は遺言書として残さなければなりません。また特に身寄のない方は調査を行い、相続人が不在であれば遺言書を残さなければ財産が国庫に帰属する結果となってりまいます。その対策には遺言書が最も有効です。
遺言書は任意後見契約や財産管理委任契約などの他の契約と、とても親密な関係にあります。遺言書を残したいと考えられた方は他の将来のための準備も検討されることをお勧めいたします。
★死後のお墓やお葬式などの事務の執行を任せる為の契約です★
上記⑤の問題である葬儀や永代供養を行う事務については死後事務委任契約にて取り決めておく事が良いでしょう。遺言書に記載しておいても良いのですが、お葬式や遺体の引取り等の事務手続きは別途契約を結んでおけば確実に執り行われる事となります。
★不要な延命治療をしたくないという希望を事前に書面にしておくものです★
上記の5つに加えて是非検討のひとつに加えて頂きたいものが「尊厳死宣言」です。これは亡くなる際、自然な状態であれば既に亡くなっているであろう方に対し行われるに延命治療を拒否する事の宣言です。尊厳死宣言は生前に尊厳死宣言公正証書を作成しておく事で自身の希望を残す事ができます。
なるべく長く生きたいと思われる方もいれば自然は死を迎えたいと願う方もいらっしゃいます。尊厳死宣言は自身の尊厳ある死を希望される方にご検討頂きたい思います。
すべてのサポートが必要なのでしょうか?
それではお年寄りや身寄りのない方は上記のサポートはすべてが必要なのでしょうか?それはその人の状況により必要なサポートは変わってきます。まだ若い方であれば見守り契約や財産管理委任契約は不要かもしれませんが、その方が歳を重ねる度に必要性が増してくるでしょう。また、身寄りはないでもお葬式などの世話を行ってくれる知人がいれば死後事務委任契約は不要かもしれません。
これらのサポートはご自身の状況とサポートの内容を踏まえ、必要か否かの判断を行う事となります。
ご相談・手続きのサポート
当事務所では上記の契約書や遺言書の作成の相談や作成サポートを行っております。特に継続性のある契約については十分なご検討が必要ですので、検討いただくための材料としてでもお気軽にご相談いただければと思います。
その他、関連する記事がございますので、ご参考として頂ければと思います。
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