相続・遺言書と財産目録の作成

相続が開始した時、また遺言書を執行(実現)させる時、財産目録の作成を行う事を推奨します。もしあなたが遺言執行人であれば財産目録の作成が法的に義務が課せられていますが、そうでない場合でも財産を目録を作成しましょう。トラブル回避、円満相続には財産目録が必要です。

 

財産目録とは

財産目録とは亡くなられた方の相続財産のすべてをまとめ目録としたものです。目録には不動産(土地、建物)、預貯金、株式、車、貴金属など、相続財産となる物を列挙し、またその相続財産としての評価額を併記する事で、亡くなられた方の相続財産の総額がどれほどあるのかをひと目で分るようにしたものです。

 

 

財産目録を作成する理由

 

相続人全員が相続財産を把握するため

相続が始まると相続人相続分に従い相続財産を分割します。その際、亡くなられた方の相続財産がどの位あるかが分らなければ相続人の間で分割する事ができません。

また、相続人の間で話合い(遺産分割協議)を行い相続財産を分割する際も亡くなられた方の相続財産の総額が分らなければ話合いにはなりません。

 

遺言執行者は財産目録を作成する事が義務

遺言書が残されており、その遺言書に遺言執行者が指定してあった場合や、家庭裁判所にて遺言執行者が選任された場合、その遺言執行者は財産目録を作成する事が義務とされています。家庭裁判所で選任された遺言執行者は申立てをした上で選任されるので、財産目録の作成が義務である事は把握している場合も多いでしょう。しかし、遺言書にて相続人などが遺言執行者として指定してある場合、遺言執行者にどのような権利・義務があるかの把握がされていない場合もあり、財産目録の作り忘れ等に気をつけなければなりません。

 

遺言書があったとしても財目録を作成するべきです

遺言執行者が選任されていない遺言書がある場合はどうでしょう?遺言執行者でなければ財産目録の作成は義務ではありません。また、遺言書に記載された相続財産をそのまま引き渡せば良いので財産目録を作成する意義は少なく感じるかもしれません。

しかし、遺言書がある場合は相続人には遺留分権がありますので、権利関係を早く落ち着かせるためには財産目録の作成は必要でしょうし、やはり関係者に対しどのような相続財産があり、どの位の評価額なのかを明示する事は信頼関係を築く(崩さない)為にも重要です。

 

 

トラブル回避としての財産目録

 財産目録を作成する事は相続に関するトラブルを回避するために有効です。

 

手続きがスムーズに行われる

相続財産を相続人で分割する場合、法定相続によるばあいでも遺産分割協議をする場合でも、できるだけ早く解決したいものです。もし財産目録を作成する事無く遺産の分割をしてしまった場合、分割後に新たな財産が見つかった場合にはその都度、遺産分割協議を行わなければなりません。

遺産分割協議は相続人のすべてが参加しなければなりませんので、その都度の再協議がとても手間がかかります。そのため、相続財産の分割の前に財産目録を一括して作成しておく事はスムーズな手続きに繋がります。

 

遺留分を早く解決させる

遺言書がある場合、遺産の額により相続人には遺留分減殺請求権が発生する場合があります。この遺留分権は「遺留分を侵害する事を知ってから1年」は主張する事ができますが、これは相続財産の総額と相続人が引き継ぐ財産の割合を正確に把握した時点から1年と解釈できます。もし財産目録を作成せず、相続財産の額も分らないまま相続財産を分割した場合、遺留分権は10年間行使できる事となり、忘れたころに遺留分の減殺請求権を行使されてしまう危険性が考えられます。

もちろん財産目録を作成しても遺留分の権利については変わりません。しかし、遺言者が亡くなられてすぐに遺留分も含めた対応ができれば金策や遺産分割も柔軟な対策がしやすいでしょう。もし忘れた頃に遺留分の減殺を請求されたら… 気持ち的にも財産的にも厳しい状況に陥るかもしれません。

 

信頼関係が築かれる(または崩れない)

相続財産の分割は人によってはとても大きな関心事です。相続人の性格や経済状況等によってはトラブルになり易い場面です。そのような場面では隠し事をぜず公平な財産関係の公表が必要かと思います。相続財産の種類や評価額がはっきりしていなければ、後に公平性に疑問が残ってしまいますので、初めに財産目録を作成して信頼関係を損なわないような努力が必要です。

 

 

財産目録の作成

財産目録は代表相続人が作成する事が良いでしょう。代表相続人と言っても法律などで定められてはいませんので、喪主であったり長男であったり、主に相続の手続きをする人でかまいません。

遺言執行者が指定されていれば遺言執行者が財産目録を作成します。

 

財産目録は特に書式などは決まっていませんので、ご自身で見やすく作成して頂く事となります。しかし、どのような財産があるかを確定できるような情報(預貯金なら銀行名、支店名、口座番号など)と、その評価額(相続における評価額)は明記すべきです。

 

 

財産目録の作成サポート

財産目録を作成するにはそれなりの手間と時間がかかります。また、財産の評価自体も知識が必要になりますので、当事務所では財産目録の作成のお手伝いをさせて頂いております。

 

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